
【天文学者にインタビュー】受験の先を見越した勉強への意識の向け方
天文学者に聞く勉強への意識の向け方
2019年冬、国立天文台三鷹キャンパスの見学をした後、天文学者で国立天文台の広報室長の山岡均(やまおかひとし)先生にお話を聞いてきました。
今回は山岡先生のお話を聞いてこれから中学、高校と進んでいく子たちに有益となるお話を紹介していきたいと思います。
インタビューの動画もブログの最後に載せておくので、興味のある方はご覧ください。
天文学者の勉強論
インタビューの最初に小学生の頃に理科を好きな子は多いのに、中学から高校になるにつれて難しくて挫折してしまう人が多いが山岡先生の学生の頃はどうだったのか聞きました。
山岡先生の回答を要約すると
ただ教えられることを待っているのではなくて、自分で調べるということに面白さを覚えてしまった。
自分で興味を持って、自分で掘っていくことが重要!
もちろん苦手な科目があったり、挫折したりはしたが人並みになれるように努力はしましたが、苦手を意識するよりも自分の得意なところ、好きなところを伸ばしていく方が役にたってます。
小学生や中学生はどう勉強すべき?
次に小学生や中学生はどんな勉強に力を入れたら良いか聞きました。
“これは面白い”と自分で思ったテーマを自分で掘り下げていくことが大切です。
自分の好きなこと、興味があることを自分で調べて、自分でやってみる。その際に学校で教わったことを自分で応用してみることが大切です。
そして、自分で見つけるだけでは限界があるので、色んなところに見つけに行こうというのが重要だと思います。
ネットになんでも転がっているのですが、ネットを見るだけ、本を読むだけではなくて自分で足を運んで探しにいくことが大切です。色々なところで色々なことがやっているので、自分でもどうかなと思っていることでも触れてみることが大切です。
自分の世界に止まっているのではなくて、周りにどんどん出て行ってインプット(情報や体験を身につけていく)していくのが良いと思います。
周りにどんどん出て行ってアンテナを広げることが重要です。
学校の勉強は大切ですか?
学校の勉強は、知識を深めていく際の基礎となるものがあるというのを知る意味でも重要です。教えてくれる人とか、場所があるのも大切です。一緒に学ぶ仲間がいるというのも重要です。
学校で教わったことを基礎にその知識を深めて、実物に触れていきましょう。
国立天文台の三鷹キャンパスも無料で公開しているので、是非お近くの方は天文台まで足を運んでください。
私もネットでは調べてから国立天文台三鷹キャンパスにお伺いしたのですが、20年前まで使われていたという国内最大の屈折望遠鏡を見たとき、こんなに大きな望遠鏡なんだと驚いて、興奮が止まりませんでした。山岡先生の言うようにネットや動画で見るだけではなく直接足を運んで本物を見て触れると驚きや感動で心が震えるので私もどんどん外へ出ていくことをおすすめします。
受験や勉強で挫折をしたときの対処法
研究をしていると自分の予測が外れることや、研究が失敗することもあると思いますが、そういう失敗や挫折にどのように立ち向かうのか聞いてみました。
いっぱい色々な予測をして数うちゃ当たるっていう感じで、自分の研究が失敗に終わってもそんなに気にしません。ちょっとでも良い説明を見つけたくて、その説明で周りに納得してもらい自分も納得したいというのが研究者の大半だと思います。
それで少しでも前進できて少しでも真理に近づければ満足です。
サラリーマンなんかだと、仕事でミスをしたり推し進めていた企画がだめになると今までやってきたことが無駄になったということで心を痛めたりしますが、物理学者の方達はちがうのですね。
アインシュタインですら何度も「自分の考えは間違えてた」みたいになったことはあるので、あまり気にしない方が精神安定上いいんです。何十年研究していたようなことがダメになっても柔軟に対応して気持ちを切り替えていきます。
アインシュタインのところで“宇宙項”というアインシュタインの説を例にとって説明してれました。宇宙項に関しては自分で調べてみてください。
数うちゃ当たるっていう考えや、失敗しても気にしないでまた次に進んでいくというのは、最新の研究を進めていく上ではとっても大切な心の持ちようですね。
勉強や受験は○か✖️かではありません
学校の勉強や受験勉強はマルかバツだと思っていたという問いかけに対して
学校のテストや受験でみたいのはマルかバツかではなく
「この人はどれくらい深く考えられるか、どれくらい集中できるか」それをみたいんです。
なので1点や2点で喜んだり、悲しんだりすることはできれば避けてほしくて、自分を伸ばすこととか、自分を表現することが出来る人だと強いと思います。
まとめ
山岡先生は終始、自分の興味のある分野を深く掘り下げていく。そのためには自分一人では言外があるので、自分から外に出て人と繋がっていくことが大事だと言っていました。
決まった勉強も大事ですが、自分の好きなこと、興味のあることにどう活用するのか考えて深く掘り下げてってみたら色々なものが見えてくるかもしれませんね。
山岡先生自身福岡の大学にいたころにはサイエンスパブin福岡という天体に興味のある人と集まってお酒を飲んで自分の知っていることを周りに広げたりといった活動もしていたそうで、東京でも参加したい人がいるなら是非サイエンスパブをやりたいと言ってくれました。
もちおアカデミーで是非人を集めてサイエンスパブを開きたいと思います。
このインタビューの後コロナウィルスが蔓延してしまい、サイエンスパブを実現することはできませんでした。
とても気さくな方で、当たり前ですが知識が半端ないのと優しく説明してくれるため動画の撮影というのを忘れて話し込んでしまいました。
こちらから無理にお願いしたのに、帰り際お土産までくださるという大ラッキーでした^^
三鷹から池袋まで帰る間中宇宙のすごい話に触れた興奮がおさまらず、学ぶことって本当に素敵なことなんだなって改めて感じました。
北陸でも様々な職業の人にインタビューするというのは続けていきたいと思います。